半透明印刷とは、透明素材のアクリルグッズに印刷する際、下地となる「白おさえ」をあえて印刷しないことで、絵柄が透き通って見えるように仕上げる印刷方法です。半透明印刷をうまく取り入れることで、デザインに立体感や奥行きを与えることができ、キーホルダーなどのアクリル系アイテムに独特の魅力を与えられます。
今回は半透明印刷を使ったオリジナルキーホルダーを作りたい方に向けて、弊社の最近の製作事例の中から半透明印刷を効果的に取り入れたデザインのキーホルダーを紹介します。半透明印刷の魅力を活かしたデザインのポイントを押さえて、オリジナルデザインの参考にしてください。
目次
パフェのひんやり感が伝わってくるようなキーホルダー
こちらのキーホルダーは、裏側から見ると普通のブルーハワイ風のアイスクリームパフェですが、反対側(表側)から見るとクリームの部分にペンギンとシロクマがぎっちり詰め込まれており、どちらから見ても楽しめるようにデザインされています。
しろくまの頭に乗っているさくらんぼと、グラスの中の青い部分を半透明印刷にしています。これによって、どちら側からみてもパフェと認識できるようになっており、さらに明るいところで透き通って見え、冷たいひんやり感も演出しています。
絵柄の可愛らしさだけでなく、手に取った人が見て楽しめるよう、細部までこだわって作られたキーホルダーです。
かすれ具合を表現したパズルピース型キーホルダー
パズルの形が特徴的なこちらのキーホルダーは、かすれたような風合いの青い背景を白ベタなしの半透明印刷で印刷しています。濃いめのブルーで描かれた、細く小さな手書き風のテキストもきれいに印刷されています。ざらざらとした手触りが伝わってきそうなデザインは、アンティーク感やヴィンテージ感を出したいときに参考になるでしょう。
また、アクリルのカットライン(外周)に沿うように透明部分を残しているところもポイントで、これにより、角度を変えて見たときに独特の立体感が感じられます。一見シンプルでありながら、ディティールにこだわったユニークなデザインのキーホルダーです。
透き通った血液を半透明印刷で表現したキーホルダー
血液バッグの中の血液が半透明に透けて見えるようにデザインされた、リアルな表現が魅力的なキーホルダーです。アクリルのカットライン(外周)を手書きのような不規則な線にすることで、血液バッグの素材であるビニールのテクスチャを表現しています。
半透明の血液部分に対して、長方形で囲まれたイラスト、花、キャップの部分は白おさえを印刷しているため、透けることなくはっきりと印刷されています。
半透明印刷を取り入れる際はすべての印刷部分を半透明にするのではなく、このように部分的に使い分けてメリハリをつけることで、コントラストが強調され、よりインパクトのあるデザインに仕上げることができます。
素材の透明感を活かしたパステルカラーのキーホルダー
手書き風のテキスト、鳥のシルエットのアウトライン、二次元コード、これらをパステルカラーでバランスよく印刷した、オリジナル型のアクリルキーホルダーです。絵柄の下に白インクの印刷(白おさえ)を入れてあるため、厳密には半透明印刷ではありませんが、背景に印刷をせずにアクリル素材をそのまま残すことで、絵柄が際立ち、透明感のあるデザインに仕上がっています。
パステルカラーは色が目立ちにくいというデメリットがありますが、白おさえをきちんと印刷することで、しっかりと発色していることがわかると思います。また、印刷部分を必要最低限に抑えて背景を透明にすることで、見る方向や角度によって異なる表情が楽しめるように仕上げている点も特徴です。
半透明印刷のデザインにおける注意点
印刷した部分が透けて見えるユニークな半透明印刷ですが、注意しなければならない点がいくつかあります。
まず、半透明印刷は通常の印刷と比べて色が薄く見えることがあります。通常の印刷では、白いインクで印刷した上に絵柄を印刷するため、色がはっきりと見えます。しかし、半透明印刷では、白いインクを印刷しないため、明るい色や白っぽい色は透けて見えることがあります。
また、色の濃淡にも考慮する必要があります。明るい部分はより透けて見え、暗い部分は不透明になる傾向があるため、グラデーションの色の違いがはっきり出づらい場合もあります。
半透明印刷を使ったデザインを作る際は、透明度や色の明るさに注意しながらデータを作成することが大切です。不安な場合は、注文前にスタッフまで遠慮なくご相談ください。
まとめ
今回は半透明印刷でオリジナルデザインを印刷したキーホルダーの製作事例を紹介しました。一般的な紙や布への印刷と異なり、透明のアクリル素材だからこそ可能な半透明印刷は、ほかにはないオリジナルデザインのアイテムを作りたい方にとって、ぜひ取り入れたい表現方法です。
半透明印刷はキーホルダーだけでなくさまざまなアクリルグッズに対応しているので、自分のデザインを活かして、個性的なオリジナルグッズにチャレンジする際はぜひ参考にしてください。