アクリルキーホルダーを作って販売や販促に使いたいけど、自作できるのか、それとも業者に注文したほうが良いのか迷いますよね。自作と業者では作り方がどのように違うのか、それぞれの仕上がりやクオリティの違いを解説します。
アクリルキーホルダーが売れる理由
オリジナルグッズで人気の商品といえば、アクリルキーホルダー、缶バッチ、クリアファイルがありますが、その中でもアクリルキーホルダーは、キャラクター商品やご当地のお土産品、同人イベントなど、どこでも見かける人気アイテムです。
アクリルキーホルダーは、1個から作れて短納期で完成するお手軽感があります。そのため、初心者でも手が出しやすく、初めてオリジナルグッズを作る方にも人気があります。商品を購入される方にとっては、好きなキャラクターを身近にぶら下げて楽しむには丁度よいサイズ感と購入しやすい価格帯であることが売れる理由といえます。
アクリルキーホルダーを自作する場合のいろいろな作り方
好きな数を好きなようにアレンジできるのが自作のメリットですが、作るのは面倒なのでは?と迷う方も多いようです。手順を理解して市販のパーツを上手く活用すれば簡単に作ることができますので、代表的な素材で簡単に作れる方法をご紹介します。
プラ板
準備するもの:プラ板、レジントップコート、先端パーツ、ハサミ、トースター、アルミホイル、厚手の本
- プラ板に直接絵を描くか、デザインを印刷します。印刷する場合は、プラ板がプリンター対応か確認しましょう。最近では、100均でもインクジェット用のプラ板が売っています。プラ板に描かれたインク部分は熱すると色が濃くなるので注意が必要です。
- デザインしたプラ板をカットします。輪郭ギリギリで切ると焼いたときに縮むので見栄えが悪くなります。余裕をもってカットしましょう。この時にキーホルダーを通す穴を、穴あけパンチなどで開けておきます。
- トースターにアルミホイルを敷いて、アクリル板を焼きます。焼くと約1/4まで縮みます。熱したときに収縮するサイズを見越して原画は大きめにしたほうが良いでしょう。焼き始めるとプラ板がクルクル丸まってきますが、ここで手を出さずに平らな状態に落ち着くまでトースターは開けないでください。
- 厚手の本でプラ板を挟みより平らにします。
- レジントップコートを塗ります。レジンはぷくっとした仕上がりが可愛いので人気があります。
- 先端パーツを付けて完成です。
子どもの頃、プラ板に絵を描いてトースターで焼く遊びをしましたが、それを少し丁寧にしただけです。簡単に楽しみながらアクリルキーホルダーを自作できるので、初めて作る方におススメです。
アクリル板
準備するもの:アクリル板(3mm)、印刷したイラスト、透明シール、先端パーツ、アクリルカッター、ヤスリ
- イラストをアクリル板にのせてテープで固定します。
- イラストの外枠に合わせてアクリル板をアクリルカッターでカットします。
- 先端パーツを付ける穴を開けます。
- カットした縁をヤスリ掛けできれいにします。
- 印刷したイラストを透明シールでアクリル板に貼り付けます。
- 先端パーツを取り付けて完成です。
アクリル板が硬いので、カットと後処理が難しく量産には不向きです。また、アクリル板にはプリンターインクは載らないので、OHPフィルムやシールで貼り付けるようになります。
レジン
準備するもの:レジン液、型、イラストやモチーフ、先端パーツ、UVライト、ヤスリ
- 型にレジン液を流し込みます。この時、気泡が入らないように注意が必要です。もし気泡が入ったら爪楊枝などで気泡を潰します。
- UVライトで硬化させます。
- 同じ型に、イラストやモチーフなどを入れます。
- 同じ型にレジン液を流し込みます。
- UVライトで硬化させます。
- 先端パーツを付ける穴を開けます。
- ヤスリできれいに磨きます。
- 先端パーツを取り付けて完成です。
UVライトが無くても、一晩、蛍光灯に当てれば硬化します。時間を気にせず、モチーフを入れたりジックリ楽しみながら作りたい方におススメです。
ハメパチ(フォトキーホルダー)
準備するもの:ハメパチ(100均)、印刷したイラスト、ハサミ
- 写真やデザインをハメパチのサイズに合わせて印刷します。
- 印刷した紙をハメパチのフタにあてて、紙を切るところに印を付けます。
- 印を付けたところに沿ってハサミで紙をカットします。
- 切り取った紙をハメパチに入れてフタをすれば完成です。表裏違うデザインを入れることもできます。
素材はアクリルが多く、ナスカンなどの先端パーツ付きで売られています。デザインを印刷した紙を入れるだけなので小さなお子様でも作れます。丸・四角・ユニフォームなどの定番型になりますが、押し花やプリクラなどを入れて簡単にオリジナルアクリルキーホルダーが作成できます。写真やイラスト(印刷)したものを少数だけ売りたい場合は、これで十分です。販売用であれば、印刷ではなく原画を入れれば付加価値がグンとアップします。
業者が作るオリジナルアクリルキーホルダーとは
業者がアクリルキーホルダーを作る場合は、専用の機械でデザインに沿って型を抜き、印刷するので、品質を一定に保つことができます。従来は企業からの注文で販売品や販促品としてまとまった数を作ることがほとんどでしたが、今は1個から作れる業者もあるので、個人の方が同人イベントのグッズを注文することも多くなりました。そこで、身近になった業者のアクリルキーホルダーは、どのように作られているのか解説します。
作り方
- アクリル板を専用の機械でまとめてカットします。複雑な形状も可能です。
- カットしたアクリルに付着しているホコリなどを拭き取ります。
- アクリル板の静電気を除去してからブロアーブラシで見えないホコリなどを徹底的に取り除きます。
- UVインクジェット印刷機でオリジナルデザインを印刷します。CO2レーザー彫刻機での彫刻も可能です。
- 検品をしながら先端パーツを取り付けます。
- OPP袋に個包装して完成です。
印刷の種類
アクリルキーホルダーへの印刷には一般的に「UVインクジェット印刷」が使われます。ハード系の素材であるアクリル板にインクを直接用紙に噴きつけることで印刷するので、アクリル板自体が平坦である必要がなく、湾曲していてもきれいに印刷することができます。また、オフセット印刷のような版下を作る必要がないため、印刷コストも低く、短納期で製作できるのがメリットです。しかし、特色印刷のゴールドやシルバー、クリアコートなどはできません。
アクリル板の片面印刷(表・裏)
片面印刷でも、アクリル板の表面に印刷するのか、裏面に印刷するのかで見え方が違います。片面印刷の場合、裏面は白引き(白ベタ)になります。透明の素材に印刷する場合、一度白いインクを塗ってからその上に印刷すればデザインが透けません。
表刷り印刷は、アクリルの上面(表面)に印刷する方法です。印刷面に触れることができるので手触りを楽しむことができます。
表刷り印刷:表面印刷、白引き
表刷り印刷:裏面印刷なし
裏刷り印刷は、デザインデータを逆向き(反転)にして、アクリルの裏面に印刷する方法です。デザインの正面がアクリル板で保護できるので、印刷面の摩耗や汚れを防止出来ます。
裏刷り印刷:表面印刷なし
裏刷り印刷:裏面印刷、白引き
アクリル板の両面印刷
透明アクリルプレートの表裏に異なるデザインの印刷が可能です。片面印刷と同様に表刷りと裏刷りができますが、最も多いのは裏刷り印刷になりますので手順をご紹介します。
- アクリル板の裏面に、正面用のデータを印刷します。
- 白引き印刷で、正面用のデザインが裏面に透けないようにします。
- デザインの裏面は、ミラー反射をしたデータを印刷します。
選べる先端パーツ
アクリルキーホルダーの先端パーツを豊富に用意している業者は多く、松葉、キーホルダー、ボールチェーンのような基本的な先端パーツであれば、料金コミコミで付属する場合がほとんどです。
別途料金がかかりますが個性的なデザインの先端パーツを取り扱う業者もありますので、星型・ハート型・猫型などの特殊なナスカンを選べば、さらにおしゃれなアクリルキーホルダーを作ることができます。
個性的なアクリルキーホルダーも作れる
連結アクリルキーホルダー
キーホルダー同士を好きなところに好きな数だけつなげることができます。接合部分はマルカンとカニカンが付いていて簡単に取りはずしが可能なので、気分に合わせてチャームを入れ替えることができます。
透け感を生かしたアクリルキーホルダー
デザインの一部を白引きせずに、あえて透かすことも可能です。透かし部分の色を変えたり細い文字を浮かび上がるような表現も可能です。
自作と業者の仕上がりや品質の違い
弊社の商品情報に基づいて比較してみます。
自作 | 業者 | |||
---|---|---|---|---|
素材 | プラ板、ハメパチ、レジンなど種類は多いが、安価なものだと耐久性が低い | 〇 | 国内産のアクリル板を使用するので耐久性と透明度が高いが、アクリル素材のみで素材を選べない | 〇 |
価格 | 100均&プラ板の場合100均×10枚=3000円 先端パーツ×10個=1000円 光熱費やパッケージ代金など |
△ | 単価300円×10個=3000円 送料10,000未満は700円 |
〇 |
数量 | 1個から作れて自由に増やせる | ◎ | 10個から作れる | 〇 |
納期(作業時間) | デザインや環境によるが、自分のやる気次第 | 〇 | 入稿データ制作時間(自分)&5営業日なので短納期で完成する | ◎ |
梱包 | 好きなパッケージができる | ◎ | 無料のOPP袋に個包装するので、そのまま売り場に出せる | ◎ |
手作り感 | デザインから完成まで自分で行うので作りての個性がでる | ◎ | 手作りはしないので | × |
品質 | 業務用の印刷機ではない事と、手作業なので品質にばらつきがでてしまう | △ | 専用の機械を使い、専門スタッフが作るので仕上がりがきれいで安定している | ◎ |
まとめ
自作と業者を比べてみると、作ったアクリルキーホルダーをどうするかで決めたほうが良さそうです。自作はあくまでも個人用として、少数を楽しみながら作りたい方にオススメします。忙しくて時間がない方や、販売・販促品として作る場合は、品質が安定している業者に任せれば安心ですね。