アクリルグッズのオリジナル制作における印刷方法のひとつに、半透明印刷という少し変わった印刷方法があります。アクリルの透明感を活かしたこの印刷は、うまく使うことでデザインの可能性を広げ、ユニークなオリジナルアクリルグッズを生み出すことができます。
しかし、半透明印刷と通常の印刷では入稿データの作り方が若干異なるため、初めてアクリルグッズのオリジナル印刷をする人にとっては、わかりづらい点があるかもしれません。
今回は、半透明印刷の特徴と入稿データの作成方法を初心者にも分かりやすく解説します。さらに、どんなアクリルグッズがこの印刷方法に最適かも紹介します。
半透明印刷とは?
半透明印刷は、その名の通り、印刷部分が透けて見える印刷方法のことで、弊社おいては、取り扱っているアクリルグッズにフルカラーのインクジェット印刷を行う際に、「白おさえ」なしで印刷することで透き通った仕上がりにすることを指します。
半透明印刷を取り入れることで、アクリル素材の透明感を活かした美しいグラデーションや、表と裏の印刷を組み合わせた立体的な表現が可能となります。特に人気の高いのは、テキストやロゴを通常の印刷でハッキリと印刷し、背景色や背景画像を半透明印刷で仕上げるデザインです。
半透明印刷の入稿データ作成のポイント
実際にアクリルグッズに半透明印刷を行う際に必要な入稿データの作成方法を見てみましょう。
通常、アクリルのような透明素材にフルカラー印刷をするときは、まず印刷部分に不透明の白色(白おさえ)を印刷し、その上からフルカラーの絵柄を印刷します。こうすることで印刷部分が透けることを防ぎ、綺麗に発色ができるようになります。したがって、入稿データをつくるときは、印刷したいイラスト・ロゴなどの「デザインデータ」に加えて、デザインが透けないようにする「白おさえデータ」が必要となります。
一方、半透明印刷では「白おさえ」を印刷しないことで印刷部分を透かしているので、単純に白おさえデータがなければ半透明で印刷されます。
また、以下のように不透明にしたい部分だけに「白おさえ」を作成することで、不透明と半透明を組み合わせて印刷することもできます。
アクリルグッズの入稿データ作成方法について詳しくは、以下のページをご確認ください。
印刷方法による入稿データの作り方と仕上がりの違い
片面印刷の入稿データ
片面に印刷データと白おさえ(白引き)を印刷します。
両面印刷の入稿データ
表面に印刷データと白おさえ(白引き)、裏面に別の印刷データ(以下のサンプルではグラデーション)を印刷します。
完成品
片面印刷は(左)は印刷面がフラットに見える一方、両面印刷(右)は表面に印刷したテキストが浮き上がったように見えるのが特徴です。
半透明印刷の注意点
半透明印刷は印刷部分が透けて見えるため、透明感を活かした独特のデザインが可能ですが、いくつかの注意点も押さえておく必要があります。
まず、半透明印刷は通常の印刷(「白おさえ」を入れた印刷)に比べると、色が薄く見えることがあります。通常の印刷の場合は「白おさえ」部分が不透明であるため、印刷色がそのまま表れますが、半透明印刷の場合はアクリル材の透明度に影響を受けるためです。特に明るい色や白っぽい色は、透明色と同じくらい透けて見えることがあります。
また、半透明印刷は色の濃淡の出方にも注意が必要です。明るい部分ほど透けて見え、暗い部分ほど不透明になるため、グラデーションの配色によっては濃淡差が大きくなったり、逆に2色の違いがわかりにくかったりする可能性があります。
半透明印刷のデザインを作成する際は、透明度や色の明るさを考慮しながら入稿データを作成することが重要です。作成したデータに不安があるときはご注文前にスタッフまでご相談ください。
半透明印刷におすすめのアクリルグッズ
半透明印刷はすべてのアクリルグッズで対応していますが、両面印刷に対応しているモーテルキー、アクリルキーホルダー、アクリルペンライト、フォトケースは、半透明と不透明を立体的に組み合わせられるため、デザインにこだわりたい方にとくにおすすめです。
よくある質問
- 印刷全面を半透明にする場合、「白おさえ」データは必要ですか?
- 不要です。
- 表は通常印刷、裏は半透明印刷にできますか?
- 可能です。表面の通常印刷の部分(不透明にしたい部分)は白おさえデータを作成してください。
- 半透明印刷をしたい場合、印刷部分の透明度は調整したほうがいいですか?
- 印刷データの透明度を調整する必要はありません。通常の印刷と同じように透明度100%で作成してください。
- デザインエディタから半透明印刷で注文できますか?
- デザインエディタは半透明印刷に対応しておりません。
まとめ
今回は半透明印刷の特徴と入稿データの作成方法について紹介させていただきました。透明感を活かしたデザインや、表裏の印刷を組み合わせた立体表現のポイントを押さえることで、他にはない魅力的なアクリルグッズを制作できるでしょう。
アクリルグッズのオリジナル製作を検討されている方はぜひぜひユニークな半透明のアクリルグッズ作成にチャレンジしてください。